Vカービングの幅と深さ:太いロゴの線ほど深く削る理由を計算する
図案の幅とVビットの角度で彫り深さが決まる仕組みを解説します。ロゴの例を計算し、平底の深さ、1パスの深さ、トレース輪郭を区別します。
深さ制限のないVカービングでは、同じVビットを使うと、図案の幅が広い部分ほど深く削る必要があります。選んだ領域の境界に刃物の傾斜面が届くまで、工具が下がります。そのため、同じ文字の中でも、細い線と太い線の仕上がり深さが変わる場合があります。
理想的な尖ったビット、幅wの真っすぐな溝、ビットの頂角aなら、幾何学的な深さはd = w / (2 × tan(a / 2))です。これは断面の計算です。CAMプレビューでは、実際の刃物、形状全体、深さ制限も考慮する必要があります。
幅と深さの関係
尖った90°ビットでは、理想深さは溝幅の半分です。尖った60°ビットでは約0.866倍です。これは幾何学的な比で、推奨切削深さや機械設定ではありません。
同じロゴの中で彫り深さが変わる理由
Vビットは、先端から遠いほど幅が広くなります。広い領域を削りながら両側の境界に届くには、先端が低い位置に入る必要があります。図案が細くなる場所では工具が上がります。
VectricのV-Carve Toolpathの説明は、刃物角度とベクターの幅、形から計算する可変深さの加工としています。図案が与えるのは境界で、文字の各部分の深さを保存しているわけではありません。
細い装飾線の隣に太い頭文字があるバッジを考えます。頭文字は線よりもかなり深さを必要とする場合があります。バッジ全体を拡大すると領域幅も広がるため、ビット角度が同じなら、理想的な全深さの切削は深くなります。したがって図案の拡大は、配置だけでなく加工の判断でもあります。
これは閉じた領域のVカービングの説明です。指定深さで単に線をたどる工具経路は別のケースです。
単純な断面を計算する
鋭く左右対称のVビットで作る溝を、真っすぐ横切る断面を考えます。断面は三角形で、上辺が溝幅、垂直な中心線が深さです。三角形を半分に分けると、幅の半分と頂角の半分を持つ直角三角形になります。
そこから、次の便利な2式が得られます。
深さ = 幅 / (2 × tan(頂角 / 2))幅 = 2 × 深さ × tan(頂角 / 2)
幅と深さには同じ単位を使います。60°ビットは先端全体の頂角が60°という意味なので、正接には30°を使います。2で割らずに60°を入れると誤った結果になります。

理想的な尖った60°と90°のビットで、次の例を計算しました。試験データは、ネイティブSVG内の真っすぐな幅2 mmと4 mmの領域を使い、1 mmの行を追加の参照としています。値は小数第3位に丸めています。
| 領域幅 | 90°ビットの深さ | 60°ビットの深さ |
|---|---|---|
| 1 mm | 0.500 mm | 0.866 mm |
| 2 mm | 1.000 mm | 1.732 mm |
| 4 mm | 2.000 mm | 3.464 mm |
60°では、幅2 mmの領域に必要なのは2 / (2 × tan(30°))、約1.732 mmです。領域を4 mmへ2倍にすると、理想深さも約3.464 mmへ2倍になります。
ローカル計算で値を再現し、逆計算で入力幅へ戻ることを確認しました。CAM工具経路の実行や材料切削は行っていません。数値は尖った先端という仮定を含む理想断面を表し、使用できる1パス深さ、送り速度、小さい残存島の強度を示しません。
全深さ、平底の深さ、1パスの深さは別
これらの設定は異なる問いに答えます。混同すると、妥当なプレビューでも深さの変更が失敗したように見えることがあります。
| 用語 | 答える問い | 確認すること |
|---|---|---|
| 幾何学的な全深さ | 尖ったビットが領域境界へ届くには、どこまで下がるか? | 領域幅、頂角、実際の先端形状 |
| 平底の深さ | どこで下降を止め、平らな底を削るか? | CAMアプリの深さの規則とプレビュー |
| 1パスの深さ | 1回の加工でどれだけ深く削るか? | 最終形状とは別の、工具と材料の設定 |
| 開始深さ | どの表面から計算するか? | 素材表面からか、すでに加工した領域からか |
VectricはFlat Depthを平底彫刻の制限として説明しています。また、必要な切り込みが工具データベースのPass Depthを超える場合に、複数のZレベルで加工することを説明します。Start Depthは、既存ポケットや段差内から加工を開始できます。深さ欄をすべて、細い文字をさらに深く削る指示と考えず、公式の工具経路解説を読んでください。
平底の方法は、広い領域を完全なV字から、平らな床と斜面を持つくぼみに変えます。CAM工程によっては、別の工具で床を除去できます。元の尖った断面を単に上へ動かすことではありません。
塗り領域と中心線では挙動が異なる
ビットマップのトレースは、通常、見える図案の境界をたどります。太い黒線は、両側を持つ閉じた帯になります。その帯をVカービングすると、CAMは両側の間を加工するよう求められます。
一方、中心線は線の中を通る1本の経路です。指定した深さでその経路をたどると、刃物角度と深さによって見える溝幅が決まります。任意の塗り領域へ同じようにビットを合わせる処理ではなくなります。
Easelの公式V-Carve Projectsガイドは、ビットがデザイン境界に従う塗り形状と、選んだ深さが結果幅に影響する輪郭加工を区別しています。
刃物を変えたり図案をオフセットしたりする前に、塗られたロゴ領域、線彫刻、平底のくぼみのどれが欲しいか決めます。単線SVGのガイドは、ラスター線の外側をトレースしても、元の中心線を復元できない理由を説明します。トレース工程自体はVCarveのTrace Bitmapガイドを使います。
見積もりを変えるもの
単純な式は、局所的に真っすぐな溝と、鋭く左右対称の先端を仮定します。実物の先端には平坦部や丸みがある場合があります。角、隣接境界、島、工具の使用できる切削形状も、CAM全体での計算が必要です。直線溝の例を、装飾的な文字のすべての点についての主張へ広げないでください。
細い細部がプレビューで傷のようにしか見えない場合は、まず最終倍率での実際の幅と工具定義を調べます。境界に制約される尖ったビットは、最大深さを増やしても、同じ細い開口を保ちながらさらに下がることはできません。頂角を鋭くすれば形状は変わりますが、実際の加工には有効な工具と材料設定が必要です。
広い領域が深すぎる切削を要求するなら、図案倍率とCAMの平底設定を見直します。幅を変えるとマークを損なうなら、承認済みロゴ形状を保ち、加工方法を再検討します。深さ欄を都合よくするためだけにロゴを変形しないでください。
PerfectVectorを使う場面
ロゴがPNGやJPEGでしか残っていない場合、測定と準備の前に、PerfectVectorで候補のベクター輪郭を再構築できます。CNC用ベクターの手順は、次のCAD/CAM段階へSVGやDXFの図案を渡します。狭い領域、文字の開口部、読み込み後の実寸を、意図したデザインに照らして調べます。
ベクター化はVビットの選択や工具経路の計算を行いません。使えるベクターがあれば、そのファイルで続けます。繰り返しトレースしても深さの問題は解決しません。より広い画像からCNCへのガイドで、輪郭から加工への受け渡しを扱っています。
よくある質問
ロゴの線が太いほど、Vカービングは深くなりますか? 同じ尖ったビット角度で、制限なしの全深さVカービングをする場合、幅広い直線領域には深い断面が必要です。深さ制限、工具形状、完全な形状によって、計算される加工は変わる場合があります。
60°のVビットは、90°より深く削りますか? 同じ直線溝幅と理想的な尖った先端なら、はい。幅2 mmの溝では、60°で約1.732 mm、90°で1.000 mmです。幾何学的な例であり、切削の推奨ではありません。
最大深さを増やしても、細い文字が変わらないのはなぜですか? ビットが、より浅い深さですでに狭い領域の両側へ届いている可能性があります。最大値の増加は上限を高くすることで、必ずしもさらに下がる命令ではありません。CAMの資料とプレビューで、加工とその挙動を確認します。
出典
- Vectric:V-Carve Toolpath:ベクター形状による可変深さ、Start Depth、Flat Depth、Pass Depth、荒取り工具です。
- Easel:V-Carve Projects:塗り領域、輪郭加工、刃物角度、平底ポケットの違いです。
- PerfectVector:CNC用SVGとDXF:ラスターからベクターへの受け渡しと、図案書き出しとCAM工具経路生成の境界です。
ラスターのロゴから輪郭が必要なら、画像からCNC用ベクターを準備し、狭い領域と開口部を調べ、読み込みサイズで測ってから、CAMでVカービングを計算して確認してください。


