CNCのドッグボーンとTボーン:内側の角の逃げと除去範囲を比較する
斜め方向のドッグボーンと片側のTボーンの逃げを比較し、追加で削る材料を確認します。理想形状の角のクリアランスと、実物で検証したCNCの嵌合を区別します。
目次
直角の内隅では、斜め方向のドッグボーンの逃げは、隣接する両方の壁より外側までポケットを広げます。片側のTボーンの逃げは、その広がりを1つの壁側に集中させます。追加で削ってよい場所、受け取るソフト、組み合う形状を基準に選びます。どちらを選んでも、それだけで実物の嵌合が確認できるわけではありません。
通常の丸いフィレットを加えることとは異なります。通常のフィレットは意図した角を曲線に変えますが、角の逃げは、その周囲に意図して空間を追加します。VectricのCreate Filletsの説明は、Normal、Dog-Bone、T-Boneの選択肢を区別しています。
鋭いSVGの角でも材料が丸く残る理由
円形の刃物がポケット内を動くとき、基準となる両方の壁の内側に完全に収まったまま、鋭い内隅を占めることはできません。基準形状とは、逃げや加工代を加える前の、意図する参照形状です。刃物をさらに角へ寄せると、その基準より外側の材料も削ることになります。
Mekanikaの角の逃げのガイドは、組み合う四角い角との干渉を説明し、斜め方向と片側方向の逃げを図示しています。検討すべき点は、設計で周囲のどの領域を削ってよいかです。

元画像からCAMまでの全体の流れは、CNC用ベクターデータの準備ガイドを使ってください。ここで扱う判断は、内隅の局所的な逃げです。
どちらの壁に逃げを設けられるかを選ぶ
| 状況 | 検討する候補 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 隣接する両方の壁を少し広げてよい | 斜め方向のドッグボーン | 両側の追加領域、隣の形状、見えるくぼみ |
| 片方の壁は基準境界を保つ必要がある | もう片方の壁へ向けた片側Tボーン | 逃がす側の材料の余裕と、刃物が到達するまでの全経路 |
| 溝幅が工具径に近い | 使用先が対応する片側の逃げ、または設計変更 | 選んだ形状が、その溝と刃物に有効か |
| 組み合う角を設計変更できる | 組み合う角の丸め、または別の継手 | 両部品で合意した形状と余裕 |
狭い溝の行は特に重要です。Vectric V12.5の説明は、溝幅と工具幅が近い場合にDog-Boneを使わないよう注意し、その状況に対して片側に広がるT-Boneを説明しています。画面では、逃げを設ける側も選べます。これは使用先の文書化された規則であり、すべてのCADやCAM実装を試した結果ではありません。
くぼみが組み立て後の部品で隠れる場合もありますが、実際の重なりを確認してください。向きだけでは、見えないこと、継手の強度、十分な残存材料を確認できません。
1つの角を使った独自の形状比較
理想的な2次元の円形刃物の掃引領域を表すSVGを3つ作りました。基準ポケットは18 × 14座標単位、刃物半径rは3です。これは説明用の単位で、推奨する工具寸法や加工代ではありません。
逃げなしのモデルは、(3, 3)から(15, 11)までの刃物中心の長方形を、半径3の円盤で広げます。2つの代替案では、左上の角だけを変更します。基準角(0, 0)から、右と下に向かって座標が増えます。
- 斜めのドッグボーン:中心を
(3, 3)から(3/√2, 3/√2)まで延ばします。 - 片側Tボーン:上の壁に向けて、中心を
(3, 3)から(3, 0)まで延ばします。
それぞれの延長は、円盤が掃引する両端の丸い線分全体を含みます。保存したSVGの座標を開き直し、数値的な断面積分と、独立した点間距離グリッドで結果の領域を確認しました。保存した3ファイルの実際の描画も、既知の15ピクセルで確認しました。
| 左上の構成 | 基準の角で削り残される面積 | 基準ポケットの外側で追加除去される面積 | 左/上の壁より外側への最大延長 |
|---|---|---|---|
| 逃げなし | 1.9314平方単位 | 0 | 0 / 0単位 |
| 斜めのドッグボーン | 0 | 5.1372平方単位 | 0.8787 / 0.8787単位 |
| 到達経路全体を含む片側Tボーン | 0 | 14.1372平方単位 | 0 / 3単位 |
ここで明示したモデルでは斜めの方法の追加除去面積が小さく、Tボーンは左の境界を保ちつつ、上の壁を越えて深く削ります。どちらが常に優れているとも決めず、違いを具体的に示せます。
半径rで同じ構成にした場合、確認した追加面積の式は、斜め方向がr²(π/2 − 1)、片側方向がπr²/2です。各壁を越える斜め方向の延長はr(1 − 1/√2)、片側の選んだ壁を越える延長はrです。これらはこの理想的な直角形状を表す式であり、任意の角度やアプリ設定を表すものではありません。
角に接する円だけでは、掃引全体を表せない
Tボーンの終点の円盤だけを、逃げなしのポケットと組み合わせた場合も調べました。その円盤は(0, 0)に接しますが、基準の左上の角に0.3905平方単位の削り残しがあります。このモデルでは、到達するまでの線分全体を含めると、その三日月状の残りが除去されます。
そのため、角の近くに円を描くだけでは確認として不十分です。除去される領域全体と、刃物がそこまで到達する方法を調べます。終点で接しているだけでは、元の丸いポケットからその終点までのすべての点が除去されたとはいえません。
削り残しゼロでも、基準上のクリアランスはゼロ
ここでのクリアランスは、接触する嵌合を超える追加の余裕を意味します。モデル化した2つの逃げは、鋭い基準角にちょうど接するだけです。その点での基準上のクリアランスはゼロです。組み合う部品、実際の刃物径、振れ、材料の動き、加工誤差への余裕は試していません。
ほかの3つのポケット角は、3ファイルとも丸いままです。したがって、この1つの角の結果から、四角い部品全体がポケットに入るとはいえません。SVGは丸いストロークで理想の掃引領域を表しており、加工境界の書き出しファイルではありません。CAMへの読み込みや実物の切削は行っていません。
使用先によっては異なる余裕が必要です。例えば、ShaperのDogbone Rectangleの説明は、ドッグボーン径を予定するビット径より少し大きくすべきだとしています。このゼロクリアランスの例をコピーせず、実際の使用先の構成と嵌合要件を使う必要性が分かります。
逃げ、丸め、補正を分ける
SVGパスの角の丸めは、図案の境界を変更します。角の逃げは、凹んだ角の近くで、基準ポケットの外側に空間を追加します。切り幅補正は切断工程のオフセットに関わり、局所的な逃げ形状を選ぶ判断とは別です。
基準形状のマスターを残し、意図した図案、逃げ、使用先で補正を適用する場所を識別できるようにします。どちらを採用する場合も、実際に読み込んだ境界と生成された加工を一緒に確認します。
PerfectVectorを使った場合の流れ
適したラスターのモチーフしかない場合は、PerfectVectorでCNC用の編集可能なSVGを準備します。シルエット、開口部、閉じた境界を元画像と比較し、採用したSVGを残してから、受け取るCADやCAMで寸法を確認します。
この工程で得られるのは、調べられる図案形状です。逃げの作成、刃物の選択、余裕、工具経路、加工の検証は、引き続き使用先の工程で行います。寸法の基準になるベクターやCADモデルがすでにあるなら、その画像をトレースせず、マスターから作業してください。
設計を確定する前に、相手部品に接するすべての内隅を確認します。逃げへの到達経路全体、どちらの壁を越えるか、近くの形状を調べます。実際のモデルで意図するクリアランスを確認し、生成された加工を調べ、適切な試し切りで継手を検証してから、生産用の嵌合として扱います。
よくある質問
ドッグボーンフィレットは、通常のフィレットと同じですか?
通常のフィレットは、意図した角を丸めます。ドッグボーンの逃げは、円形刃物のための余地を作るため、基準の内隅を意図して越えます。コマンド名だけに頼らず、使用先の実際の形状を確認してください。
Tボーンは必ず削る材料が少なくなりますか?
いいえ。半径3の直角モデルでは、片側Tボーンは基準ポケット外で14.1372平方単位、斜めのドッグボーンは5.1372平方単位を追加で除去します。片側の方法は1つの壁の境界を保ち、もう1つの壁をより大きく越えます。
逃げが鋭い角に接すれば、継手が合うと確認できますか?
いいえ。この接する構成の基準クリアランスはゼロで、逃げを設けたのも1つの角だけです。部品全体の嵌合には、残りの形状、合意した余裕、実際の工具と材料、加工結果の確認も必要です。
出典
- Vectric V12.5:Create Fillets:通常、Dog-Bone、T-Boneを区別し、狭い溝での制限と側の選択を説明しています。
- Mekanika:ドッグボーンとは何か、どう作るか:内隅での円形刃物の干渉と、斜め方向と片側方向の逃げを説明しています。
- Shaper:Dogbone Rectangle:使用先テンプレートの形状設定と、予定するビットに対する径の指針です。
ラスター図案から始める場合は、候補SVGを作成して調べ、シルエット、開口部、読み込み後の寸法を確認してから、使用先の工程で必要な角の逃げを作り、確認してください。


