ボードゲームの印刷用イラスト:ベクターとラスターの選び方
ボードゲームの絵に適したベクターとラスターを選び、部品ごとの記号を確認し、描画の細部を保ちながら製造業者向けのファイルを準備します。
目次
サイズ変更や修正が必要なボードゲームの記号、枠、図にはベクターを使います。絵画的なキャラクター、風景、質感のある背景はラスターのまま保ちます。編集可能なテキストとともに両方を部品のレイアウトに組み込み、製造業者が指定する形式で書き出します。
1枚のカードにラスターのイラスト、ベクターの資源アイコン、編集可能なルール文を含められます。ゲーム全体を1つの形式に統一する必要はありません。資源を変更したり、カードを小さくしたり、ルールブックを別の言語にしたりするとき、どの部分を編集可能にしておくべきかを考えると役立ちます。
部品ごとに作業用の形式を選ぶ
| 絵の種類 | 実用的な作業形式 | 納品前の確認事項 |
|---|---|---|
| 資源やアクションの記号 | ベクターパス | 区別できる輪郭、明確な隙間、統一された視覚的な重み |
| カードの枠やプレイヤーボードのトラック | テキストを分けたベクター図形 | 実際のレイアウトでの整列、間隔、読みやすさ |
| 絵画的なキャラクターや場所の絵 | 高解像度のラスター原本 | 最終配置サイズでのピクセル寸法と意図した質感 |
| 描画した地形と経路マーカーを含むボード | ラスターの絵とベクターの重ね合わせ | 最も複雑な地形の上でもマーカーが読めるか |
| ルールブックの図 | 再利用できるベクター記号と編集可能なラベル | ゲーム全体で同じ記号が同じ意味を持つか |
| 箱のイラスト | 画風に応じてラスターまたはベクター | 最大の配置サイズと供給業者のテンプレートに十分な細部があるか |
これは作業ファイルの選択です。製造業者は統合済みの書き出しファイルを求める場合もあります。編集可能な原本を残すと、デザインが変わっても同じ手順で書き出せます。
形式の基本的な違いはPNGとSVGの比較を参照してください。SVGにはビットマップを埋め込めるため、拡張子が.svgであるだけでは記号がパスで構成されている証明にはなりません。
複数の場所で使う記号を1つ選ぶ
交易アクションの記号が、トークン、カードのコスト欄、ルールブックの説明横に登場するとします。それぞれの場所で周囲の要素や使える空間が変わります。単独では明瞭な記号でも、3つのコストと文章の隣では窮屈になる場合があります。
この例では、金色の立方体を青緑とサンゴ色の矢印が囲む、チームが制作方針を指定した独自の合成ビットマップを使います。PerfectVectorで2026年9月4日にSVGへ変換しました。本記事では既存の結果を再確認し、複数のデジタルサイズで描画しました。SVGには8つのパスと4色の塗りがあり、埋め込みビットマップはありません。変換後にキャンバス全体を覆う白に近い背景パスを削除しましたが、絵のパスは描き直しも再編成もしていません。

最大のプレビューでは立方体の内側の辺や矢印の先端を見分けやすくなります。最小のものでは立方体の細部よりも、全体が円を描く動きのほうが目立ちます。元がベクターでも小さな配置を確認すべき理由です。滑らかに拡大縮小できても、小さな記号の空間は増えません。
パス数は検査可能な形状の存在を示しますが、印刷品質を保証したり、「立方体」「矢印」という名前付きレイヤーを復元したりするものではありません。一部分の色を変える必要があるなら、結果を開いて、その部分を選択したとき実際に何が選択されるかを確認します。
自分のゲームでは、セット全体をトレースする前に候補の記号を1つ、実際のトークン、カード、ルールブックのレイアウトに配置します。口頭のヒントを与えず、隣接する記号の中で識別できるかをプレイテスターに確認してもらいます。消えてしまう細部に意味が依存しているなら、その細部を簡略化するか、より広い場所を確保します。元ファイルを大きくしても、窮屈なレイアウトは解決しません。
色だけに頼らず、関連する記号を区別する
赤い資源と緑の資源を、塗りの色だけが違う同一の形にしないようにします。資源ごとに異なる輪郭を使うか、ルールにも登場するラベルや記号を色に組み合わせます。そのうえでセット全体を確認します。個別には美しいアイコンでも、隣のものと似すぎる場合があります。
Mattelは、アクセシビリティに配慮したゲームで色の識別を助けるため、各ゲームの説明書で説明したアイコンや触覚的な手がかりを使うと説明しています。色に別の識別手段を添える公表済みの例として参考になりますが、新しいデザインに対する認証ではありません。MattelのアクセシビリティFAQ
交易の例で各矢印の方向が重要なら、「渡す」と「受け取る」を色だけで表さないようにします。矢印の先端と周囲のルールラベルを確認します。グレースケールのプレビューで一部の問題は見つけられますが、1つのフィルターを合格基準にするより、さまざまな視覚的ニーズを持つ人とのプレイテストのほうが有益です。
再利用するライブラリを作る場合は、PNGからSVGにするアイコンの作業手順でパスの確認とアイコンサイズの統一を解説しています。実物のゲームでは、部品のレイアウトと印刷した試作品でも続けて確認してください。
必要な絵だけをトレースし、絵画は残す
再利用する平面的な記号のビットマップしか残っていない場合、自動トレースが役立ちます。見えている画像から新しい図形を作ります。イラストレーターの元レイヤー、筆の表現、テキストは復元しません。
質感が魅力の一部である森の絵はラスターのままにします。その上に資源の記号と場所のラベルを別のオブジェクトとして配置します。ボード全体をトレースすると絵が色の領域に変わり、単純なアイコン再利用の作業が、はるかに大きな画風の変更と一緒になってしまいます。
ルール、数字、翻訳するラベルは、作業文書内で編集可能なテキストとして残します。供給業者が文字のアウトライン化を求めた場合は、納品用コピーを作り、編集可能な原本を保管します。そうしないと、最後に「2を獲得」を「3を獲得」へ変えるだけでも図形編集が必要になります。
平面的な資源やアクションの記号がPNGでしか存在しない場合は、PerfectVectorのボードゲーム用イラスト変換ツールでSVGの候補を作れます。レイアウトエディターで開き、図形と背景を確認して、予定している最小の配置サイズで試します。記号の意味を保ち、必要な編集ができる場合だけトレースを採用します。単純な幾何学的記号は描き直すほうが速い場合があり、絵画的なものはピクセルのままが適している場合があります。
納品形式は製造業者が決める
最終ファイルを準備する前に、各部品の最新テンプレートを入手します。編集可能なSVG記号はレイアウトの材料の1つであり、あらゆる印刷にそのまま提出できる形式ではありません。
次の2社の例からも、受け渡し条件を確認すべき理由がわかります。
- The Game Crafterはテンプレートの絵をPNGまたはJPGで書き出すよう求め、RGBでのアップロードを受け付け、CMYK画像は拒否します。テンプレートには仕上がり線、塗り足し、安全領域が示されています。The Game Crafterのテンプレートガイド
- Hero TimeはIllustratorファイルを推奨し、編集可能なPDFやPSDも受け付けます。準備ガイドでは背景、画像・アイコン、テキスト、カット用テンプレートを別レイヤーにするよう求めています。Hero Timeのイラスト準備ガイド
どちらの手順でも、ベクター原本を捨てる必要はありません。適切なベクター、ラスター、文字を含むレイアウトから指定ファイルを書き出します。PDFにはパスとピクセルの両方を含められます。PDFとして保存しても絵はトレースされず、低解像度画像も修復されません。
供給業者がIllustratorファイルを指定した場合は、印刷会社へのAIファイルの受け渡し手順を参照し、ネイティブ形式での編集可能性が必要なのか、制作用PDFでよいのかを確認します。SVGの拡張子を.aiに変えないでください。
書き出し結果をゲーム部品として確認する
デザイン文書だけでなく、書き出したファイルを確認します。セット全体に繰り返す前に、最初のトークンとカードで次の順に確認します。
- 最新テンプレートと比較します。 寸法、塗り足し、安全領域、最終ファイルに含めるガイドレイヤーを確認します。The Game Crafterはカット線レイヤーを表示したままにすると、その線も印刷されると明示しています。
- 最小の記号を周囲と一緒に確認します。 実際のコスト欄、ボードのトラック、トークン面で、背景と隣の印も含めて見ます。エディターの見やすいズーム倍率だけで全記号を判断しないようにします。
- 絵を配置サイズで確認します。 ピクセル寸法が供給業者の要件を満たすかを確認します。ベクターの枠は中の画像の解像度を上げません。
- 実物の試作品を作って確認します。 予定している部品サイズで作り、プレイヤーが使う距離から見ます。家庭での校正はレイアウトの問題を見つけられますが、製造時の印刷色やカット精度を保証するものではありません。
- 原本と納品用コピーを一緒に保管します。 テンプレートの版と書き出し設定を記録し、後続のカードにも同じ設定を使えるようにします。
この確認で記号に問題が見つかったら、原因となる形、間隔、レイアウトを修正します。拡張子を変えることが有効な次の一手であるケースはほとんどありません。
よくある質問
ボードゲームの絵はすべてベクターにするべきですか? いいえ。編集可能な図形が役立つ再利用記号、枠、図にはベクターを使います。絵画や質感のあるイラストは、最終配置に十分なピクセルを持つラスターとして保ちます。部品のレイアウトで両方を組み合わせます。
ボードゲームの製造業者にSVGを直接送れますか? その仕事で製造業者が受け付ける場合に限ります。PNGやJPGの書き出しが必要な手順もあれば、Illustrator、編集可能なPDF、PSDを推奨する手順もあります。まず最新の部品テンプレートと提出仕様を確認してください。
ベクターの絵はどんなサイズでも読みやすいですか? いいえ。ベクターパスは固定の元ピクセル格子に依存せず拡大縮小できますが、小さな隙間、細い要素、窮屈なレイアウトは読みにくくなる場合があります。予定している配置サイズと実物の試作品で記号を確認します。
カード画像内のテキストをベクター化するべきですか? 文字のピクセルをトレースするより、ルールとラベルをレイアウト内で入力し直して編集可能にします。原本にはテキストを残し、供給業者が求めた場合だけ納品用コピーをアウトライン化します。自動トレースは元のフォントや編集可能な文面を復元しません。
参考資料
- The Game Crafter:テンプレート — 部品ガイド、RGBラスターのアップロード、書き出し前のテンプレートのカット線削除。
- Hero Time:イラスト準備ガイド — 推奨する編集可能な納品形式と、絵、テキスト、テンプレートのレイヤー分離。
- Mattel:色覚に配慮したゲームのFAQ — 色を識別するために追加のアイコンや触覚的な手がかりを使う出版社の例。
最も繰り返し使う記号から始めます。ビットマップしか残っていなければ、そのボードゲームの記号をSVGに変換し、パスを確認して、残りのセットの制作を進める前に最小の部品レイアウトへ配置してください。

