中綴じ冊子のクリープ:外側の余白と重要な図案を守るための確認方法
中綴じ冊子の外側の断裁位置から重要な図案を離します。寸法例と印刷会社への確認を通じて、クリープ、塗り足し、安全余白を区別します。
目次
中綴じのクリープとは、冊子を折って重ねたときに、内側の紙が外側の紙よりも突き出す現象です。小口を断裁すると、内側のページほど多く切り落とされ、重要な図案と仕上がり端との余裕が減ることがあります。その端の近くに小さな細部を置く前に、実際の用紙、表紙、ページ数で印刷会社がどうクリープに対応するか確認してください。
塗り足し、安全余白、クリープ補正は、それぞれ役割が異なります。塗り足しは仕上がりの外側に切り落としてよい図案を用意します。安全余白は重要な内容を仕上がりページの内側に保ちます。クリープ補正は、面付けの段階でページ内の内容の位置を変えます。塗り足しを増やすだけでは、キャラクターの顔が断裁位置から離れるわけではありません。
内側の紙と小口の関係を確認する
中綴じ冊子は、折った紙を重ね、折り目を通して固定したものです。小口は、その折り目と反対側の開く端です。紙には厚みがあるため、重ねた内側の紙がそこで外側の紙よりも突き出すことがあります。PrintingCenterUSAの中綴じの説明は、その突出と後の断裁を図示し、厚い紙と多いページ数の影響に触れています。
イラストを作る側にとって実用上の問題は、最も外側にある重要な細部がどうなるかです。右ページの右端近くの鼻、左ページの左端近くの文字は確認が必要です。見開きの左右で、影響を受ける外端が入れ替わります。
これは、図案が綴じ部分に隠れる問題とは異なります。絵本のノドのガイドは、内側の構図を扱います。ノドに余裕があるデザインでも、物語の手掛かりを外側の断裁位置に近づけすぎている場合があります。
3つの余裕を分けて扱う
| 余裕・補正 | 対象となる場所 | 図案に対する役割 |
|---|---|---|
| 塗り足し | 予定する仕上がり端の外側 | 背景を延長し、断裁で意図しない未印刷の帯が出るのを防ぐ |
| 安全余白 | 仕上がりページの内側 | 文字、顔、ページ番号などの重要な細部を、影響を受けやすい端から離す |
| クリープ補正 | 面付けされた紙面の配置 | 重ねた紙の厚さと仕上げを考慮して、内容の位置を調整する |
印刷会社によって用語が違う場合や、複数の要件をまとめたテンプレートを使う場合があります。記された安全範囲に何が含まれるか確認します。指定済みの仕様がクリープを考慮しているなら、根拠なくさらに余裕を加えないでください。
Rogue Create and Printのクリープガイドは、ページ数と用紙を要因として挙げ、重要な要素を余白内に収めることと、背景を塗り足しまで延ばすことを区別しています。記載された寸法例は、その会社の指針に属するもので、実際の仕事の仕様に代わるものではありません。自分のレイアウト準備と、印刷会社による生産用配置の分担を確認します。
背景の延長と仕上げ用の目印の違いは、トンボと塗り足しをご覧ください。トンボは切る位置を示しますが、その位置に置いた内容を守ることはできません。
断裁で減る幅を明示した例で、残る余裕を測る
表紙を含む4枚の紙を重ねた、仮の16ページ冊子のデジタル図を独自に作りました。外端の問題だけを扱うため、元の各ページ幅を100 mmとします。右ページで、重要な装飾の端はx = 94 mmにあり、元の外端まで6 mmの余裕があります。
最も外側から最も内側の紙に向けて、外端で失う幅を0、0.4、0.8、1.2 mmと仮定しました。これは選んだ入力値であり、紙の挙動の実測値、クリープの公式、印刷会社の推奨値ではありません。関係が分かるよう、図では紙の間隔を誇張しています。
この単純化した確認では、新しい外端は100 − 失う幅です。そこから装飾の最も近い端である94 mmを引くと、残る余裕が求まります。
| 紙の位置 | 仮定した外端の減少幅 | 残る余裕 |
|---|---|---|
| 最も外側 | 0 mm | 6 mm |
| 2枚目 | 0.4 mm | 5.6 mm |
| 3枚目 | 0.8 mm | 5.2 mm |
| 最も内側 | 1.2 mm | 4.8 mm |
説明上の最小余裕を5 mmとすると、最も内側の例では0.2 mm不足します。装飾を内側へ1 mm移し、端が93 mmになるようにすると、同じ条件でも5.8 mmの余裕が残ります。モチーフの大きさは変わりません。

元のSVGを開き直し、ページ幅、装飾の範囲、断裁位置、移動前後の余裕をプログラムで確認しました。これにより計算と描画位置を検証できます。紙を折る、冊子を綴じる、断裁した製品サンプルを測るといった作業は行っていません。
左ページでは、左の外端から測ります。基本となる問いは、重要な図案の最も近い境界から、実際の仕上がり断裁位置までの距離です。物体の中心を測ると、突き出た細部を見落とす場合があります。顔、キャプション、罫線が、最初に選んだ点より先まで延びていることがあります。
補正値は印刷会社に指定してもらう
この例の「外端の減少幅」は、レイアウトアプリのCreep欄にそのまま入力する値ではありません。ソフトは、変位量の合計を紙の間や見開きの2ページ間に配分する場合があります。符号の規則も読み違えやすいことがあります。
AdobeのInDesignクリープの説明は、内容の移動が紙の位置と、指定したクリープの正負によって変わると説明しています。この文書化された挙動は考え方を裏付けますが、ここではInDesignの操作や特定の仕事の設定の検証は行っていません。
仕上がり寸法、総ページ数、表紙の構成、本文用紙、表紙用紙、製本方式を印刷会社に伝え、次を確認します。
- プリプレス側でクリープ補正を行うか、入稿するページは移動しないままでよいか。
- 指定された安全範囲に、この仕事のクリープ分がすでに含まれているか。
- ページをまたぐ絵、細い枠、端のページ番号は、構図を変える必要がありそうか。
- 面付け、折り、断裁の後の想定位置を、どの校正で確認できるか。
回答を作業仕様と一緒に残します。印刷会社が単ページを求める場合は、意図する読む順序で渡し、指定の面付けを任せます。折った紙の図が見慣れないからというだけで、ページを並べ替えたり移動したりしないでください。
全体を縮小する前に、重要な細部の構図を直す
読み手に必要なものを特定します。表情全体、短いキャプション、解答用の印、遊びを完成させる小さな物などです。その内容を、合意した保護領域内に移します。切り落としてよい背景は、必要に応じて仕上がりまで、またその外側まで続けられます。
ページ全体の縮小を万能の修正と考えないでください。文字サイズ、線の太さ、背景の被覆範囲、見開きの関係も変わります。編集可能な装飾を1つ移すだけなら、ほかへの影響を少なくして問題を解決できる場合があります。補正が指定された後は、中央をまたぐ連続した図案も確認します。内側への移動は、その関係にも影響する可能性があります。
フラットなキャラクターや装飾がビットマップでしかない場合は、PerfectVectorの絵本イラストの手順で形状編集用の候補SVGを作れます。表情、シルエット、隙間を元画像と比較してから、確認した図案を実際のページ内で移動します。ベクター化は、クリープの計算、冊子の面付け、安全余白の認証を行いません。この例の寸法を測った装飾は、ベクター形状として直接作りました。
絵の質感や適した既存のラスター図案は、ラスターのまま使えます。絵本でラスターとベクターを選ぶガイドは、編集用マスターの選択に役立ちます。どちらの形式でも、紙の物理的な厚さは変わりません。
表紙だけでなく、内側のページも確認する
表紙のバランスがよくても、内側のページで外端の重要な細部が失われる場合があります。ページ番号や繰り返しの枠も含め、冊子全体の該当箇所を確認します。実際に書き出したページと供給元のテンプレートを比較し、配置が重要なら適切な完成形の校正を確認してください。
最終ページサイズ、合意した内容の内側への距離、誰が補正するか、承認したファイルの版を記録します。入稿するファイルで重要な内容が合意した境界から離れていれば、デジタルの確認は完了です。残る実物の問題は、適切に印刷、折り、断裁した校正で確認します。
よくある質問
冊子のクリープと塗り足しは同じですか? いいえ。クリープは、重ねた紙のずれと仕上げ時の影響に関わります。塗り足しは仕上がりの外側にある背景図案です。塗り足しを増やすだけでは、重要な内容は仕上がりページのさらに内側へ移動しません。
中綴じのクリープ用に、安全余白をどれだけ加えますか? 実際の用紙、表紙、ページ数、製本方式に対する印刷会社の仕様を使います。安全範囲にクリープが含まれているか確認してください。この記事の5 mmの余白と0~1.2 mmの減少幅は説明用の入力値で、製造設定ではありません。
PDFを渡す前に、内側のページを移動すべきですか? 印刷会社が明示して求めた場合だけ行います。補正が二重にならないよう、誰がクリープ補正を行い、どのページ配置を求めているかを確認してください。
出典
- PrintingCenterUSA:中綴じのページ数とクリープ:重ねた紙の突出、断裁、用紙とページ数の影響です。
- Rogue Create and Print:冊子のクリープを考慮する方法:印刷会社ごとのデータ準備と、プリプレスの担当範囲です。
- Adobe InDesign:冊子のクリープ設定を調整する:紙の間へのクリープの配分と、内容位置の調整です。
ビットマップしかない装飾を、フラットな形状を描き直さずに移動したいですか? 候補のSVGを作成して確認し、印刷会社の保護領域内に図案を置いて、最終的な冊子の校正を確認し直してください。


